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2018年9月13日「キャッツ」東京公演観劇メモ

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『キャッツ』東京公演・2018年9月13日昼公演の観劇レポートです。

この日は、『キャッツ』五反田公演で、学校観劇で一度観たきり、という友人との観劇でした。
その学校観劇では、タガーが女性のお客さんを舞台に連れて行く演出がなかったそうです。

私が2013年に観劇に本格復帰した後、連れ去られる席の範囲が学生団体の時には、学生さんをさらっていましたが、五反田の時は「連れ去り演出をカットする」ということがあったのでしょうか・・・

今回の東京公演から「舞台に連れ去る」ではなく、客席通路で女性のお客さんとダンスする、に変わったのですが、
たまたま、座る席が、タガーが女性のお客さんと踊る場所の近くだったので、友人のためにもラッキーだったし、

そして、これもたまたま、前の日12日の夜公演で、草場有輝さんがミストフェリーズ役にデビューされたので、自分としてもラッキーでした。

席は6列-48。
座ってから、そういえばそうだった、と思ったんですけれど、ほぼ、ど真ん中です。

2018年9月13日昼公演のキャスト

グリザベラ 木村智秋 オールドデュトロノミー 橋元聖地
ジェリーロラム=グリドルボーン 真瀬はるか バストファージョーンズ/アスパラガス=グロールタイガー 藤田光之
ジェニエニドッツ 安宅小百合 マンカストラップ 加藤 迪
ランペルティーザ 山中由貴 ラム・タム・タガー 大森瑞樹
ディミータ 原田千弘 ミストフェリーズ 草場有輝
ボンバルリーナ 山崎遥香 マンゴジェリー 玉井晴章
シラバブ 松尾 優 スキンブルシャンクス カイサー タティク
タントミール 間辺朋美 コリコパット 横井 漱
ジェミマ 町 真理子 ランパスキャット 河上知輝
ヴィクトリア 馬場美根子 カーバケッティ 照沼大樹
カッサンドラ 片岡英子 ギルバート 肥田晃哉
マキャヴィティ 文永 傑
タンブルブルータス 田極 翼


2018年9月13日『キャッツ』東京公演観劇メモ

1幕

「ジェリクルソング」、橋元さんデュトロノミー、タイヤの上に飛び乗るのキレッキレですよね。もっと踊る役で出演できそうな気がしちゃいます。

「ネーミングオブキャッツ」で、ミストが横を通る。メイクを近くで見るとざっと勢いがある線。
それからタンブル。田極さんは初めての方です。すらっとしているけれど上半身に厚みがあって、タンブルメイクの笑顔がベネディクト・カンバーバッチっぽい。

「ジェリクルキャッツ出てくる」のミストのソロ。コリコの時はソロは「ジェリクルソング」の「見逃さずに感じられるか」だけなので、あまり声の記憶がなかったけれど、草場さん、すごく男らしい声なんですね。

歌の前にポーンとジャンプしていますが、この片足伸ばすやつは、チェケッティのグラン・パ・ド・シャ、でいいのかな?

こういうのです。

女性もやるのですが、男性の動画があってよかった。

「ジェニエニドッツ~おばさん猫」の前に、みんなをはけさせるミストの拍手の音がパンパンっ!とすごく大きく聞こえました。

「ラム・タム・タガー」、大森さん、タガーでは初めて、というか、以前タンブルで出ていたときにはたぶん見ていないので、『キャッツ』では初めてです。
予想していたよりも動きも歌もパーンとした、元気な感じ。

ちょうど、私たちの前の列の、5列下手側端の女性がダンスさせられていました♪

真瀬ジェリロ、美人さんですね^^
歌の声は、エスメラルダ役やる前の岡村さんに似ている気がします。

「グリザベラ~娼婦猫」。迪マンカスは、グリザベラを威嚇、というより、みんなから遠ざけておきたい感じが強いです。わざわざ絡みに行く猫と、遠巻きにしている猫。マンゴとランペルはまあ、分かるのだけれど、タンブルがわざわざ手を出すのは普段の彼のイメージからするとナゾなんですよね。
こうしてみると、グリザベラってガン無視されてはいなくて、ある意味で猫たちとの関係性はあるんですよね。

「バストファージョーンズ」で、以前の演出では「オレは知らん」だったマンカスですが、今は、若いオス猫たちに「バストファさんの接待するよーに」と指示しているように見えます。

猫たちがバストファさんを囲んで食べものオブジェをかざすところで
ミストが正座したまま、横に、ずりっ、ずりっと移動していって、ギルに止められていました。
ロブスターが食べたかったのかな(笑)。

「マンゴジェリーとランペルティーザ~泥棒猫」は、今回の振り付けになってから、ランペルが逆立ちしてマンゴの肩に足を載せるのが毎回頭けっとばしそうでスリリング。絶対、そんなことないんだけれど。
ナンバーの最後の方で、袋を投げて交換するときに、袋が空中でぶつかって2個ともマンゴ側に落ちたんですが、玉井マンゴは「いつもどおり」風に2個キャッチして、「はい♪」とランペルに渡していました。
マンゴ、グッジョブ♪

大森タガーの「オールドデュトロノミー~長老猫」の歌い方は、ナンバーの直線感とは違ってやわらかい。いろんな空気が出せるのはいいですよね。

「グレートランパスキャット」、ランパスの河上さんは、『キャッツ』では初見ですが「アンデルセン」のバレエダンサーアンサンブルで観ています。
ランパスの素顔(っていうのか?)では顔がかわいいのですが、ゴーグルをつけたグレートランパスキャットになると衣装の上半身がマッチョなこともあって雰囲気変わりますね。ジュテ・アントルラセやバットマンが力強いです。

このナンバー、グレートランパスキャット本人(猫)が出てくるのは後半で、それまではひたすらマンカスのストーリーテラーとしての力量次第で、そこがないとすんごい間延びすると思うんですが、加藤さんすごいな。周りを囲む猫たちに腕を広げてポーズしながら一周する動きもすごくかっこいい。

大森タガーは、自分のナンバーではやりたい放題な感じですが、缶をかかえて食べながら歩いてきたり、バグパイプを持ってきたりするときの様子がかわいらしいです。

「ジェリクルボール」はやっぱりミストばかり見ちゃいました。今日はね、もう仕方ない。
踊りの1つ1つの動きがどう、というより、光がはじけているような、喜びと生命力爆発、な表情にすごいパワーがありました。

あ、でもタイヤの上のパ・ド・ドゥは見ました。タンブルとカッサが向かいあって、首をフルフルっとする時、タンブルが少しタメているのが色気がある。そして、「カッサ回し」はすごくシャープでした。

1幕の最後、グリザベラが出てきたときに、タイヤの右側でミストがヴィクトリアに「近寄らないように」と示していますね・・・

2幕

「幸せの姿」が終わって、次の位置に移動するときに、タンブルがカッサに向かってアゴをくいっと動かして誘っているのがいいですね。
ミストとヴィクトリアのすれ違いがスムーズできれいでした。

「グロールタイガーの最期」、草場ミストも「カナリヤ」は高い音。

真瀬グリドルは、シャムネコ軍が攻め込んできてからの表情が、ここ最近見てきた他のグリドルさんよりも「悪の軍団の女幹部」チックな気がします(笑)。船の上で尻尾を構えるポーズが独特な雰囲気。

藤田さん小柄なので、タイガーになったときの「ぐわっ」という迫力は、例えば橋元さんや飯田さんと比べるとやや少ないかな、はあるんですが、最後の場面の切なさが際立っています。

人生も、舞台も、すべてはひと時の夢。

「スキンブルシャンクス~鉄道猫」の、ヤクマン場面、草場ミストは逃げる、ではなく、挑みに行くんですね。負けん気強いタイプか(笑)。
寝台列車の場面で、寝そべっていたタガー、シラバブに尻尾を引っ張られて、イヤイヤではなく、「そっか、ごめんごめん」って感じでベッド役になっていました。ええっと。大森タガー、いいやつ感強いですね。

文永マキャヴィティは安定の宙返り。あまりにもさらっとやるので、初見の方はむしろ気が付いていないのでは?という気になります。
あの背の高さで軽々とアクロバットするのがいつもすごく不思議。(「王さまの耳はロバの耳」の木の精でも軽々でした)

そして、「ミストフェリーズ~マジシャン猫」のナンバー。

他の作品で草場さん観たときに、回転系の軸がすごくきれいと思っていましたが、グランドピルエット(アラセゴンド・トゥール)は初めて。やはり軸が通っている感じがきれい。
ナンバー通して、びっくりするようなキレ、というよりも、力みのない軽やかさが印象的でした。

魔法が彼にとって、ごく普通のことであるように。

自然で、清潔感がある気持ちがよい踊り。←他の人が清潔感がないという意味ではなく(当たり前)、例えば松出さんはもう少し違う、妖精のような透明感だったりします。

デュト様が戻ってきて、猫たちが客席に降りている間、ミストがセンターで踊るところ(ずっと以前は開脚ジャンプする人が多かったところ)、草場ミストはワルツステップから、ピルエット(外か中かは次の機会に確認します!)、パッセトゥール(トゥール・アン・レールで、足がパッセのやつ)で、これも軽やかでした。

※9月21日追記、シェネ→ワルツステップ→ピルエット外→パッセトゥールでした。

うわさには聞いていたけれど、大森タガーのミスト推しすごいですね(笑)。

2幕メモリーの後のミストの表情は、どなたの時も毎回見ているんですけれど、今回の草場ミストは、グリザベラの方をじっと見て、でも自分は引き留めに行くことはできなくて、ああこれで終わっちゃうのかな、これでいいのかな、という風に見えた。

「アドレッシングオブキャッツ」の時、私の席、ミストの真正面だったのですよ。

なんか、感無量・胸いっぱいでした。

草場さんは2014年入団で、その年の「美女と野獣」名古屋公演に出演されているんですが、私が名古屋に行った翌週デビューですれ違いでした。
それで、翌年、2015年の札幌公演のコリコパット役が、私にとっての「はじめまして」です。

「ジェリクルソング」で、コリコが最初に踊りだすところの、軸足をプリエしたアティチュードみたいなポーズを見て、射抜かれてしまいました。

タガーナンバーで、シラバブと遊ぶ、というよりもコリコ自身が遊びに夢中で、座って(ホントは人間なので正座して)、自分のしっぽを追いかけてくるくる回っているのとか、「ひょっとしてシラバブより幼いのか?」と思うくらい可愛いけど、鼻っ柱強い「男子」という感じもします。
コリコパットはソロナンバーがないし、「こういう猫」を分かるように打ち出すのが難しいのでしょうが、草場コリコはちゃんと「居る」感じがしてこちらが「どういう猫なのか」を迷わなくてよかったんです。

経歴や踊りの印象で、ミスト候補なのだろうとは思っていましたが、大阪公演では出演がなく、今回はまずはコリコパットでの出演だろうか、と思っていたら、ミストデビューが実現して、その2日目に見られて、本当に良かった。

ジェニエニナンバーが始まる前、立っているミストが、何気なく両手をくるっと回すのとか、
カーテンコールで、グリザベラが一人でレヴェランスするときに後ろで控えている時の手の動きとか(バレエで、女性がレヴェランスするときにパートナーの男性がそれを紹介するように手を動かしますが、ああいう感じ)好きなポイントがいっぱいありました。

どなたのミストも、普通猫の時とマジシャンとの二面性がどこかにはあるんですけれど、草場ミストは、素直に感情が見えて自然体なところがチャーミングです。

(むちゃくちゃ大変なことだいうのは大前提で)、デビュー間もない緊張感よりも、ポジティブさの方が伝わってきて、観る側として無条件に楽しかったです。

きっと回数を重ねていけばさらに進化するのでしょうが「最初」は最初しか見られないもの。とてもラッキーなことに今までにも何度かそういう機会に恵まれていて、今回も、大切に覚えていたい回になりました。

カーテンコールと言えば、大森タガー、しめに入る前に、
マンカスとミストに「お前ら帰れ!」じゃなく、「あ、俺が最後戸締りしておくから。お疲れー」みたいでした。

握手の時も、ギリギリ、最後にねばってくれて、いいヤツ(猫)認定しました(笑)。

この日はごはんがおいしかったです。これからも楽しみにしています。


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