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劇団四季「キャッツ」札幌公演2015年10月8日、9日観劇メモ(キャスト感想)

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2015年10月8日、9日は東日本から北海道にかけて、台風に当たっていて、間をぬうようにして行った遠征観劇でした。
8日は釧路空港発着便は欠航していたようです。このときは、8日のマチネ、ソワレ、9日のマチネの3回観劇しました。

座席は

センターブロック8列ほぼ真ん中
センターブロック下手寄り中央通路後ろ(かなり後方になります)
上手ブロック最前列

札幌公演では、それまでまで座ったことがない席で、発見があって楽しかったです。

(facebooKで非公開ノートに入れていたメモを再編集したものです。基本的に、本文中の感想は「その当時」のものです。2018年現在では退団されている方についても、当時はこれからも在団している、という前提で書いていますが、そこはそのままにしておきました。)

『キャッツ』札幌公演2015年10月8日、9日のキャスト

グリザベラ 雅原 慶 オールドデュトロノミー 山田充人
ジェリーロラム=グリドルボーン 小林由希子 バストファージョーンズ/アスパラガス=グロールタイガー 橋元聖地
ジェニエニドッツ 加藤あゆ美 マンカストラップ 加藤 迪
ランペルティーザ 今 彩乃 ラム・タム・タガー 飯田達郎
ディミータ 相原 萌 ミストフェリーズ 岩崎晋也
ボンバルリーナ 花田菜美子 マンゴジェリー 田中宣宗
シラバブ 岩城あさみ スキンブルシャンクス 小林 唯
タントミール 間辺朋美 コリコパット 一色龍次郎
ジェミマ 加島 茜 ランパスキャット 松出直也
ヴィクトリア 馬場美根子 カーバケッティ 佐野隼平
カッサンドラ 蒼井 蘭 ギルバート 玉井晴章
マキャヴィティ 文永 傑
タンブルブルータス 松永隆志


『キャッツ』札幌公演2015年10月8日昼・夜、9日昼のキャスト感想

グリザベラ(雅原 慶さん)

雅原さんのグリザベラは、2月のデビューから5月までの間、いろいろ試行錯誤されているようでしたが、しばらくぶりの出演で、以前より表現がシンプルになったな、と感じました。

今回のグリザベラは、もうとにかく「間が悪い人」。

周りにこんなに嫌われるようになった大本の原因は分かりませんが、
リーダーのマンカストラップにしてみれば、「よりによってどうして舞踏会の、今この時に出てくるんだ」なんでしょうし、グリザベラも心を開こう、とはしているけれど、何もかもかみ合っていなくて、拒絶されるから、また突っ張る。

長い間、誰とも心を通わせることがなく、笑い方も話し方も忘れてしまっているのだろうな。

タンブル&カッサのタイヤ上のパドドゥの時、
タイヤの前に座った猫たちが、揃って下手から上手に視線を移していき、パッと正面に顔を戻す、という場面があるのですが、

これは、上手2階にいるグリザベラを見て顔をそむける、という意味らしい。
『キャッツ』観劇13年目で初めて気が付きました。
きっと何百回見てもそういうことがあるのであろう・・・

ジェリクルの選択を前に再び現れたグリザベラが、マンカストラップと向かい合った時には、
受け入れられたわけではないけれど、少なくとも彼女の意思は伝わって、初めて、カチッ、とかみあったように思えます。

2幕の「メモリー」の歌い方は、好みの問題だと思いますが、語尾までもう気持ち、張ってほしい。

全体に、シンプルになった分、表現されていることがすっと入ってきました。
そして、しばらくぶりに聞いた雅原さんの声はやっぱりすごくよかったです。

カッサンドラ(蒼井蘭さん)&タンブルブルータス(松永隆志さん)

9月にカッサンドラ役で札幌初出演した(横浜公演で同役を演じています)、蒼井蘭(李依燃)さん。

今月も、8列くらいで見ると、もっとやわらかい表情が見えてもいいかな、と思うのですが、後方席から見るとあまり気になりませんでした。
そして、最前列で見て「ジェニエニドッツ」ナンバーの、ネズミのお面やゴキブリのヘルメット?の下では、わりとニコニコしているのが分かった。

シャイな猫さんなのかな?

先月は、ミストナンバーで金縛りにされたコリコ&ジェリロを後ろからグラグラするくらいつついていましたが、今月は、それはなかったです。
そして、皆がミストのソロやマジックに見入っている間、ずっと自分の手をなめているカッサ。

蒼井カッサの無表情って、かつての蔡暁強ミストフェリーズの雰囲気に似ています。
蔡ミストはたまに見せるクシャッとした笑顔にやられちゃったのですが、蒼井カッサの「デレ」は恋人のタンブルブルータスにだけ見えているみたい。
いやもう、彼女の「ツン」のおかげで松永タンブルの四次元ポケット並みの懐の深さがよく分かりました。
そういう意味ではカップル役として絶妙なバランスです。パドドゥの息の合い方はぴったりです。

松永タンブルは、蒼井カッサが少々不愛想でもなんでも、まったく自分のペースでジェントルです。

「ジェリクルソング」で一番最初にカッサをリフトするときの「はい、よろしくね」という表情から、カーテンコールでラインに並ぶ時「おいでー(はぁと)」と両腕を広げてカッサをお迎えするまで、包容力抜群、笑顔全開。

で、迎えられたタンブルの胸に頬を寄せた時には、カッサも表情がやわらいでいました。

松永タンブルは「スキンブルシャンクス~鉄道猫」で2列に並ぶ時には、シラバブを小さなレディとして扱っていますよね。
「ヤクザなやつ」が現れると、さっとタイヤとトランクの間に隠れてしまい、騒ぎがおさまると「もう終わったよー」とカーバ、マキャヴィティの前に出てくるのがおかしい。

松永隆志(劉志)さんは横浜公演からタンブル役で、以前から端正で優しい雰囲気はありましたが、私はあまりおもしろさが分かっていなくて、昨年の福岡公演からキャラクターが立って見えてきて、札幌ではどんどん面白くなっています。

今、カンパニーに、松永さん、岩崎晋也さん(今回はミストフェリーズ)、佐野隼平さん(今回はカーバケッティ)、とタンブルを持ち役にしている人が3人そろっているんですよね。

カーバケッティ(佐野隼平さん)

札幌公演ではタンブルブルータス、マキャヴィティ、そして、カーバケッティで出演している佐野さん。
もう、後方席からも最前列でも、とにかく、目が行きます。

佐野さんに対しては、どうしても「力いっぱいめいっぱい」な印象が強くて、

2番グランプリエが深すぎでMの字になってますから!!

ここでそんな勢いで回らなくても!!

なんですけれど、

どんな時でも「カーバケッティとして何をやりたいのか」がちゃんと伝わってきます。3役とも、力いっぱいだけれど、同じじゃない。

カッサンドラ一筋のタンブルブルータス、
黄色い猫としてはかわいらしく、犯罪王ではスピーディーな格闘シーンが迫力あるマキャヴィティ、
そしてカーバケッティは気配りのきいたイイやつ。

佐野カーバは、リフトからおろした後の女の子への目線など、細かいところが丁寧。
「24匹随一の紳士」を象徴する、スパニッシュなポーズも、きっちり、見せています。

2幕の「メモリー」の後、去ろうとするグリザベラを見て、佐野カーバが今にも立ち上がりそうで、もしシラバブが行かなかったら、彼が走って行って止めたんじゃないかと思う。
佐野さんは2012年研究所、入団4年目。若さいっぱい、のカーバが見られるのは今だからこそ、でしょう。
できることなら、これから「大人」な雰囲気になっていく佐野さんが演じる猫も見続けていきたい。

ランパスキャット(松出直也さん)

3月のランパスデビューから今まで連投ですが、「観る立場」としてはもう少し見続けていたいなあ、と思っています。

ランパスは、開演前に下手2階から現れて客席を見下ろしています。
ここでは、舞台上下手寄りにランペルティーザ、上手端にコリコパット、そしてランパス、の3匹が出てくるのですが、
ランペルは好奇心が強い女の子、コリコも自分の興味で動いているのに対して、ランパスはもう少し大人猫で周囲を警戒している様子が、もうこの場面から感じられます。

若猫ながら群れのナンバー2として、随所でいざとなったら自分が行くという腹が決まっている感じがかっこいい。

「ジェリクルソング」のメサイヤの前のアンオーピルエットの美しさはピカイチ。
「ジェリクル舞踏会」での、ボンバルリーナリフトが、以前はちょっとギリギリな感じだったのですが、今はたっぷりと決めています。

マキャヴィティ(文永傑さん)

先月まで、わりとくるんと丸く描いていたアイメイクがちょっとシャープに変わっていました。

普通にみんなと仲良くしている黄色い猫と、犯罪王マキャヴィティ。
自分の二面性にどこまで意識があるのか、キャストによって印象が違いますが、文永マキャは無自覚っぽいかな。
後方席から見た8日ソワレで、グリザベラを迎えに来た雲に向かって、マキャヴィティ(黄色い猫)だけが高く手を伸ばしているのを見てちょっと泣けてきました。光に引き寄せられるんだなあ、と。

劇中劇で、グリドルボーンがしっぽを踏まれると、待機しているシャムネコ軍の一人である文永マキャが、自分のしっぽを持って「あーーっ」となっていました。。

バネが効いて柔軟性も高く、フィナーレの個別挨拶での、ゆーっくりの倒立前転が見事。

バストファージョーンズ、ガス・グロールタイガー(橋元聖地さん)

『キャッツ』では他にオールドデュトロノミー、「オペラ座の怪人」では怪人を持ち役にされています。めちゃめちゃ音域が広く、豊かな声の方です。

「劇場猫ガス」での、年老いた役者猫、ガスの語るような歌い方では、
発音がきれい、というだけではなく、日本語でこの言い回しならこういうニュアンスになる、というところまで完璧だと思います。

橋元さんのグロールタイガーはお芝居が派手で見ていてすごく楽しい。

シャムネコ軍の兵士たちを一通り倒した後、
ギルバート隊長に向かって「雑魚は片づけたぞ、来い」と挑発し、剣を合わせて初めて「他のやつとはちがう」と気が付く。

タイガーがやられる、という結末は分かっていても、ワクワクして見ることができるんですよね(←ここ大事)

ギルバート(玉井晴章さん)

『リトルマーメイド』フランダー役では少し気弱で優しい、かわいい少年(魚ですが)の玉井さん。

やや下がり眉のふんわりした顔立ちが、どう描けばその精悍さになるのか、というミラクルメイクのギルバート。
2013年静岡公演以来、玉井さんは『キャッツ』出演がなかったので、この役ではほぼ2年ぶりに拝見しました。

ギルは「活発で遊ぶことが好きな若猫」が基本設定のようですが、
玉井ギルは、元飼い猫か、今もたまには帰る家があるような、おっとりしたところがあります。

劇中劇のシャムネコ軍隊長も貴族階級、という感じで、たたき上げらしい新庄ギル、冷静な武将の斎藤ギルとの違いがおもしろい。
アクロバットや殺陣はシャープ。
フィナーレの個別挨拶は、側宙からのギル隊長の殺陣の決めポーズです。

8日マチネで、グロールタイガーが船から身を投げた後、玉井ギルがセンターの定位置についてから、何か拾いに戻っていました。
コロコロした形のものだったようで、シャムネコ軍の甲冑の飾りが落ちていたのかもしれません。
踏むとあぶないですもんね。

マンカストラップ(加藤迪さん)

2014年福岡公演でデビューして約1か月登板、札幌公演では2月から今までノンストップです。
札幌公演に出演した当初、誠実で優しい若者だけれど強いリーダーではないな、と感じましたが、今ではすっかり「兄貴」らしくなりました。

札幌の平日公演は学生団体が入る日が多いのですが、必ずしも観たくて来ているわけではない子もいるし、「冷えている」こともある客席を前に、加藤さんの求心力は相当なもの、といつも関心(ええ、私は平日昼観劇が多いので、学生団体にしょっちゅう当たるのです)。

客席の空気がやや散漫になっていても、マンカストラップが一声発すると、猫たちも、客席もさっとそこに意識が向くのがわかります。

一つには圧倒的に恵まれている声質。
そして、地元キャスト(釧路市出身)だけに、どんな理由でも今日ここに来てくれた人には何かひとかけらでも持ち帰ってほしい、という思いがとても強いのだろうな。

グリザベラを排除することに、ずっと自分でも納得がいかないところがあるように見えていて、
2幕のメモリーの途中から、一人反省会していますが、そういうことは自分の中にきっちりおさめて、笑顔でグリザベラの手を取るリーダー、素敵です。

ミストフェリーズ(岩崎晋也さん)

岩崎さんは今回カンパニーの公演委員長。
1月開幕から、途中3週間程度タンブルブルータスにチェンジした期間を含め、出演者の中で唯一、開幕から今までずっと出演しづつけています。
8日ソワレで中央通路下手側まで握手に来てくれましたが、もう、学生団体が客席の半分以上、という日で、一般のお客さんに気配りされていたのかな、と思います。ありがとうございます。

岩崎さんがミストフェリーズ役を演じるようになって7年くらいなのですが、実は、私は東京公演、横浜公演では2回くらいしか当たったことがなく、昨年福岡で1回、こんなに観たのはこの札幌公演が初めてです。

ミストのソロナンバーは、「みんなの心に光を灯す祈りであり、みんなの願いを受けてあの場に立っている」、という複数のミスト役者さんのコメントを見たことがあります。

みなさん、それぞれに誇りを持ち、祈りを込めてナンバーを踊っているのですが、

今の岩崎ミストは、特に「できるかどうかなんて分からないけれど、ここは自分が引き受けるんだ」、という強い意志を感じます。
24回転もジャンプもブレがなくて頼もしい安定感で、ミストフェリーズになら願いを託せる、と思えるんですよね。

マンゴジェリー(田中宣宗さん)&ランペルティーザ(今彩乃さん)

今さんは2014年福岡でランペルデビューしました。デビューしてすぐ位くらいに福岡で拝見して、美人でかっこいい系のランペルだなあ、と思いました。
北海道地元キャストです。

「マンゴ&ランペル」ナンバーの冒頭、マンゴに「シーッ!」と注意されたランペルの「えへっ」という顔も、
ナンバーの最後の方でランペルにはたかれたマンゴの反応が毎回違うのも、気心が知れた相棒の空気が感じられて楽しい。

マンカストラップに見つかって逃げる時に、マンゴがランペルに「そっちじゃないだろ、もう!」とあきれながら、彼女を先に逃がしてやろうとするのが好き。

田中マンゴは少々危ういくらい尖っている印象があるけれど、このところ、もう少し柔らかい面が見えるようになってきました。
でも、「ジェリクル舞踏会」の途中で、あまり勢い込みもせずシュッとグリザベラをひっかく、ひんやりした表情が余計に怖いのは変わりません。敵にはしたくないなあ。

ガッと突っかかっていくコリコやカーバは「若いんだね」って感じなんですけれど。いや、マンゴも若い猫なんですけれど。

ラムタムタガー(飯田達郎さん)

自分に絶対の自信があるツンデレタガー。
以前、客席から女性客を連れてくる場面で、3才くらいの子を抱いて連れてきたこともあって、泣かれないだろうかとこっちが心配になりました(笑)。
よく客席に向かって投げキスしてます。

飯田さんは2008年研究所で加藤迪さん、ジェニエニドッツ役の加藤あゆ美さんと同期です。
スキンブルでも、タガーでも、歌がすばらしい。

劇中劇で、グリドルボーンを迎えに行ったとき、オフマイクなのに結構聞こえるくらいの声で、グリドルに「ささささっ(こちらへどうぞ)」と言っていました。
「白い、ふわっふわ。」は、グロールタイガーへのプレゼンなのかな?(笑)

「天上への旅」で、飯田タガーは一人で月を見上げて前髪をいじってからオーブンを降りて行きます。
ここに来てもストレートに素直にはなれないタガー。

まあ、タガーは突っ張りのあまのじゃくだからなあ、けど今生の別れがこれで、後悔はないのかなあ。

けれんみのある役柄を面白く見せてくれる俳優さんですが、今の年齢ならでは素直な若者役で見たい、と個人的には思っています。

全キャストの感想を書いていないですが、現在、『キャッツ』札幌公演では、この猫見ていなかったなあ、という猫は一匹もいません。
札幌公演のカンパニーは、今回出演していない人も、ここに取り上げて書かなかった人も、これまで札幌で見たキャスト全員それぞれに素敵です。

おまけ(補足)

2018年8月11日開幕の東京公演では、フィナーレの個別挨拶で2匹1組になる猫が増え、振りもほぼ決まったものがあるように思えますが、その前の大阪公演までは、1匹ずつ挨拶する猫が多くて、動きがキャストさんによって違うことも多かったのです。札幌公演では出演していませんが、福岡で見た、笠松ランパスの200度開脚とか、個性が見えておもしろかったんですよね。

今後、東京公演でも、キャストさんによる違いは出てくるかもしれませんね。

飯田達郎さんは、この公演中の2015年12月31日に放送された札幌のラジオ番組で「タガーの0幕」を語っていたのが印象的でした。
(0幕は、四季の作品で、キャラクターの「舞台での1幕が始まる前の人生、時間」のこと。俳優さんによって、それぞれの0幕を設定しているそうです)

以前は、にぎやかし役の面を強く意識していたが、札幌で演じるようになってから、月を見上げるタガーの姿に孤独感や過去の傷を感じるようになった。タガーは飼い猫として大事に育てられていたけれど、ある時、子ども部屋のブリキの飛行機か何かのおもちゃを落として壊してしまい、子どもにすごく怒られたことに理不尽さを感じたりしたことがあったんじゃないか。子どもの両親はすごく優しくしてくれるけれど、だんだん孤独を感じるようになって、ある時、窓から月を見て家を出る。
そして、外で暮らすようになって、最初に落ち着いたのが、オーブン(達郎さんは、「電子レンジ」と言っていましたが、オーブンですよね)の上だった。

この時点ではファミリーの主役などで見たいかな、と考えていたのですが、2016年12月、「ノートルダムの鐘」初見の日に、カジモド役を観て、「素直な若者役で」という希望は、最高の形でかなえられました^^

猫とのコンタクトなどについては、別記事にまとめました。

劇団四季「キャッツ」札幌公演2015年10月8日、9日観劇メモ(猫とのコンタクトなど)『キャッツ』札幌公演、2015年10月8日、9日の遠征観劇の感想の中で、猫とのコンタクトや、会場の学生団体観劇の様子などをまとめたもので...

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