劇団四季『リトルマーメイド』大阪公演の、2020年9月24日夜、25日昼の観劇メモをまとめました。
8月に一度観劇しており、公演再開後2回目と3回目の観劇になります。
けっこう話があっちこっち行きますが、よかったらどうぞ。
特にストーリーを追ってのメモではなく、観たことがない方は分かりにくいかも&ネタバレは気にしていないのでご注意ください。
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劇団四季『リトルマーメイド』感染症対策のための演出変更点は?
『リトルマーメイド』は、もとから、俳優さんが客席通路に降りてきたり、観客がいっしょに歌うといった演出がなく、公演再開後も大きく変ったところはないです。
私が気が付いたのは、
ラストの銀紙吹雪が、舞台の上だけになったことと(以前は舞台と同時に、センターブロック7列目くらいまでに銀紙が降り注いでいた)、
キスシーンが「しているフリ」になったこと、
くらいです。
劇団四季『リトルマーメイド』大阪公演20’9月24、25日観劇メモ
三平さんのアリエル、2019年4月以来です。
今まで見たアリエルの中で一番、アメリカンな明るさがある、アニメのイメージに近いアリエルだなと思います。
“Kiss the Girl”で、セバスチャンとのキスの練習の成果を、実演しちゃうんですね・・・
練習の時よりも大分ひかえめでしたが、
「え?」となるエリック、そして「わーやっちゃったー恥ずかしいー」となるアリエルの反応が双方とてもかわいくて、まあ、あれはあれでやってよかったのかもしれません(笑)。
公演再開後にデビューした木村さん以外のアリエル役は一応全員拝見していて、それぞれ好きなのですが、
三平さんが一番、アメリカン、というか、ディズニーアニメのアリエルにイメージが近い気がします。
以前観た時は、三平さんが演じるアリエルには「夢はあるけれどそれはきっとかなわないんだろうな」というガラスの天井感がわりと強めに感じられ、ご本人もラジオインタビューでそのことを言われていました。
(>>三平果歩さんのラジオインタビュー)
役の解釈は今も変わらないのかもしれませんが、そういえば、この9月の観劇では、自分で少しあきらめているような感じはあまりなかったような。
最初の、「私の居場所はここじゃない、地上にあこがれているけれど具体的に何をするのかは分からない」段階から、エリックに出会った後、「私が目ざすものはこれ!!」に向かって、もっとまっすぐな印象でした。
劇団四季では、公演が継続しているロングランではだれがいつどの役にデビューするのかはっきりは分からないこともあって、
新役デビュー(当日でなくても近いタイミングで)を見られるの、四季観劇の楽しみの一つなんですが、今回は、前の週に、安東さんがジェットサム役にデビューされていました。
フロットサム、ジェットサムは、見ためや声にインパクトがあるけれど、
そこだけにとどまらなくて、セリフも振りもないときを含めて、ジェットサムの存在感が、すとん、と入ってきました。
テンタクルスの5番(向かって右の真ん中・男性アンサンブル1枠)にちょっかいだしていたり、魔法の貝を手に持っている間ずっと貝をあちこちから見ていたり。
ジェットの、怨恨ではなく、強盗のような直接の利益が目的でもなく、でも危害を加えてくる怖さって、
あんまりいい環境にない子どもが、善悪の判断つかなくてやっていることや、本当に悪い大人にけしかけられている姿に近いのかもしれない。
アホなんですけれど、空虚で怖い。
ところで、テンタクルスの5番は、アースラに嫌われている足なんですが、ジェットに指示を出したり、なんかよく働いているんですね。
フロットサム役の町田さんは、横にグネグネする動きが巧みで、双子のうち、より頭が回るフロットらしい。
フロット・ジェットは、ディズニーヴィランスの子分キャラの中では打算がなくて、その分、ボスのアースラへの依存度が高いと思うんです。
(舞台版の話。アニメ、実写映画は各キャラとも舞台とは設定が異なります)
イアーゴやハイエナ3匹は自分に利があるからボスキャラにくっついているのが明らかだし、
ルフゥは純粋にガストンにあこがれている部分もあるみたいなんですけれど、ちょっとガストンに反発するような、自立的な面もあるのですね。
(そういえば、トリトン役田島さんとセバスチャン役赤間さんは、ガストン・ルフゥコンビでもあります)。
一方で、ウミヘビたちは、より他の世界や他の選択肢を知らないんじゃないかと思うんです。
テンタクルスとは違い、アースラとは別の個体で自我もあるけれど、自分たちの悪意ではなくてアースラの悪意をそのまま反映してる存在。
現実の、若い人が起こす事件で、「いやいやいや、もうちょっと考えようよ」というの、あるじゃないですか。
自分の中ではあのイメージに近いです。
アースラに拾われて、とりあえず食住(「衣」は必要なさそう 笑)に不足ないし、アースラってやっぱりカリスマ性があるので手下になって。
いわゆるテイムのような、なんらかの魔法契約もあるのかなあ、と想像したりもしますが。
最後、フロット・ジェットがどうなったのかは、演出上はっきりはわからないようになっていて、どこかでこっそり生き残っている可能性もなくはないけれど、今回は、アースラが死んだら存在できないものたちなんだろうな、という感じがしました。
そのアースラが、アリエルの一言でとりかえしがつかなくなるほど取り乱すのがちょっと不思議だったのだけれど、
鈴木釉佳之さんのアースラは、その瞬間まで自分の欲しいものに対して潔いくらいまっすぐだったからこそ、「言いきれなくなったら」ダメになっちゃうのか、と納得できました。
デビュー、といえば、ちょうど、9月で玉木さんがエリック役デビューしてから4年でした。
その時もデビューの翌週に観劇して、当初から王子らしい品の良さがありましたが、
ここ最近は、どんどん、エリックの、王子の枠に収まらない自由なところや20才という若さが出てきていて、いいなあ、と思います。
コンテストが始まる前に、上手から歩いてきて振り返って会釈、というシーンは、それまでの場面にないフォーマルな場面での王子姿におおっと思いました。
劇団四季ではお客側にキャストが分かるのはその週のはじめですし、他作品出演との兼ね合いなどで、一度デビューした後でそれっきり出演がないこともあるし、何年も出演していなくても突然復帰することもあって、デビューから数年、定期的に進化を追って見られるのはなかなかラッキーなことです。
できることなら、安東ジェットサムも、これからの進化を見つづけていけたら嬉しい。
シェフは、マエストロ・林さん。
(10月後半に『オペラ座の怪人』の開幕が控えている時期に、林さんがシェフ・ルイ役なのが意外でした)。
「巨匠」感でコックさん達を圧倒。
変わり者だけれど仕事では自分にも他人にも厳しそう。
男性アンサンブル6枠の劉さん、舞台で見るのは『アンデルセン』以来でした。LM札幌公演に出演されていましたが、私は札幌に行っていないので・・・
6枠はハルモニア号の船長(本当はキャプテンはエリック王子で、6枠さんは操舵士らしいですが、他の船乗りとは服も違ってちょっと階級が上っぽい)。
劉さん、『アンデルセン』でも、船長役だったし、粋でかっこいい。
ラストのウェディングで、アリエルを船上に迎えるときの姿勢に気合が入りまくっているところが好きで、劉さんが船長されている時は毎回見てしまいます。
8月に観た時と、キス(今は新型コロナ対策で本当にキスしていません)の隠し方がちょっと変わったような?見る角度でそう思っただけかもしれませんが。
『リトルマーメイド』大阪公演の夜公演は初めて観劇したのですが、スーツ姿の男性もいたりして、ちょっと新鮮でした。
9月時点では、まだ、客席は1つおきの設定でしたが、なんとなく、8月よりはリラックスした空気を感じました。
劇団四季『リトルマーメイド』大阪公演20’9月24、25日キャスト
アリエル | 三平果歩 | グリムスビー | 岡崎克哉 |
エリック | 玉木隆寛 | フランダー | 平田了祐 |
アースラ | 恒川 愛 | フロットサム | 町田兼一 |
トリトン | 田島亨祐 | ジェットサム | 安東 翼 |
セバスチャン | 赤間清人 | シェフ・ルイ/ リーワード |
林 和男 |
スカットル | 江上健二 | ― | ― |
男性アンサンブル | 女性アンサンブル | ||
大鹿礼生 | 中田成美 | ||
片山怜也 | 松凪彩華 | ||
新井俊一 | 光井さや | ||
田井 啓 | 大森真理 | ||
大家征也 | 町島智子 | ||
劉 昌明 | 近藤きらら | ||
ー | 黒田果穂 |
<追記>
この時の観劇遠征で、こちらの記事に書いた「ふわりっとバレエシューズ」を履いていました。
長時間歩いても大丈夫だし、2日目の朝大雨でかなり濡れましたが靴底もアッパーも合成素材なのであまり傷みを気にせずに済みました。
