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劇団四季観劇「リトルマーメイド」東京公演’14年3月13日観劇感想

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こんにちは、あおなみ(@aonami491)です。
この記事は、劇団四季『リトルマーメイド』東京公演、2014年3月13日の観劇感想です。
ちょうど5年前のものになりますが、過去にfacebookで友達限定公開していたメモを加筆修正してこちらに載せておきます。

『リトルマーメイド』は開幕が2013年4月で、ちょうど、私があまりたくさん観劇していなかった時期に当たっているので、この2014年3月の観劇が二回目でした。
その後は結構観ているんですけれどね。

この日の観劇で、初めて上川さんのエリック王子を(舞台で)観て、目に星が入る人って、本当にいるんだと思いました。

ネタバレについては自分自身があまり気にしないので(舞台もえきがもラストまで展開がわかっていた方が安心して見られるタイプ)、ネタバレしないように、という配慮はあまりしていません。

未見でこれから観に行きたい、という人はご注意ください。

劇団四季『リトルマーメイド』2014年3月14日観劇感想

ディズニーアニメ映画『リトルマーメイド』が1989年に公開されたときに映画館で観たときには、アンデルセンの「人魚姫」の世界とは本当に別物なんだなあ、というのが一番の感想でした。

アンデルセンの「人魚姫」も、ラストの教訓話めいた展開はキリスト教徒でない私にはよくわからないんですけれど、全体の透明感と静けさ、悲しさの漂う世界観は好きです。

ミュージカル『リトルマーメイド』は1回目は、華やさととハッピーエンドの印象が強かったけれど、2回目でちょっと見方が変わりました。

『リトルマーメイド』は

10代後半になった子どもが、

  • 親世代には理解できない職業に就きたいとか
  • えらい遠くの国に行きたいとか
  • 危険なことに挑戦したいとか
  • 超絶違う文化の国の人と結婚したがるとか

そういうことを言い出した時、親はどうするか?

逆に、子どもの立場からすると、「自分のやりたいことに親の同意が得られなかったらどうするか?」

という話なんだなあと思ってみると、感じることがいろいろあって面白いです。

「10代のエネルギー爆発!」をテーマにしたミュージカルには、「春の目覚め」というトニー賞受賞作品があります。
劇団四季で上演した時には、今回のエリック王子役、上川一哉さんが主人公のメルヒオール役の一人でしたね。

「春の目覚め」ではエネルギー爆発!の果て、死という形での結末も描かれていました。

故・河合隼雄氏の著作「昔話の深層」の中では「トルーデさん」というグリム童話が取り上げられています。

ある娘が「トルーデさんのことをみんながすごく変わっているって言うから、どうしたって自分の目で見なければ気が済まないわ」と、
親の言いつけを聞かずに魔女トルーデさんの家に行きますが、お話はあっけなく終わります。

河合さんは、こういう話を見聞きすると、もっとどうにかならなかったのか?と思ってしまうが人情だが、
10代の好奇心や行動力は、成長・創造に向かうばかりでなく、破滅の危険性と裏表であると指摘しています。

アリエルも、地上への憧れと恋心を抑えることができず、アースラと契約を交わしますが、その結果、すべてを失う可能性も十分すぎるほどありました。

では、「春のめざめ」で死んでしまった少年少女と
アリエルと、何が違ったのか、というと、
条件はそう違わないと思うんです。

「春のめざめ」の親も、アリエルの父トリトンも、子どもを愛していて一方で、現状を守るために頑迷な点もあり、特にひどいわけではないし、特に素晴らしいわけでもない普通の親です。

若者の純粋な思いからの行動とは別に、

保身のためモリッツを退学にする教師や、

アースラのような、思惑や悪意を持った大人がいる、

のも同じ。

『リトルマーメイド』がハッピーエンドになったのは、
アリエルは運が良かったから。
そして、
ディズニー作品だから(笑)

現実にも、若い人たちに、完全に悪意から騙そうとして近づいてくる人はいるし、
親がいつまでも完璧に子どもを守り続けられるものではないですよね。

本当に、運が良かったとしか言いようのないケースもその逆もあると思います。

親以外に、友達とか、近所の人とか、地域とかのセーフティネットがあるかないかはけっこう重要かも。

アリエル役の谷原志音さんはわがまま可愛くて、

初見の上川一哉さんのエリック王子はとっても素敵でした。

上川さんは、ファミリーミュージカルの「正統派健全な男の子役」のイメージが強かったのですが、

エリックでは精悍さも加わって、目にお星様入っている感じもあって、
これまで四季ミュージカルで見た「王子」役では1、2かも。

演技や歌、踊りのうまさと、王子スタイルの似合うかはちょっと別問題ですけれど、上川さんはすべてがぴったり。

素直で、ちょっと子どもっぽくて、

女の子が積極的だとどぎまぎしてしまったり、でも決めるところは決めてくれて、いろんな面が楽しめました。
アリエルをダンスに誘うシーンの王子マナーもよかったです。

エリックは、
自分を助けてくれた女性の「声」の記憶に固執していて、口がきけないアリエルに惹かれても躊躇しているのですが、

そのこだわりを捨てて、アースラの流す声が聞こえてきても、
「今、目の前にいるアリエルを愛している」
と断言する場面では感動しました。

映画では、エリックは一度はアースラが化けたヴァネッサの声に騙されてしまうんです。
最初はミュージカルではヴァネッサが出ない展開がものたりように思ったのですが、これでいいんだな、と納得しました。

ミュージカルでは、エリックがアースラを倒す、という場面がなく、その代わりとしても、エリックがアリエルをはっきりと選んだ、という別の演出が必要なんだと思います。

昨年観劇時の、竹内さん王子は、アリエルに対してお兄さんっぽい感じで接していな、と思いだして、その感じもまた観たくなりました。

(注 ここまでは観劇当時の感想です。)


ブログ掲載にあたって振り返って

今でも覚えていますが、この日の観劇は終演後に発熱して倒れそうになったのをよく覚えています。
他に咳などの症状はなく、丸一日寝て回復しましたが。

今、改めてキャスト表を見ると、今はアリエル役の松元さんがアンドリーナ、三平果歩さんがアラーナですね。
今は『アラジン』でジャスミンを演じている三井莉穂さん、
『ライオンキング』シンバ役の永田俊樹さん、「ノートルダムの鐘」フィーバス役の光田健一もいます。

このころは、『リトルマーメイド』では男性も女性も、アンサンブルをあまりちゃんと見られていなくて、今思うといろいろもったいなかったです。
やっぱり、アースラの足(テンタクルス)とか、エリックの船の船乗りさん達とか、お城のメイド・コックなど、アンサンブルが作っている場面が『リトルマーメイド』の面白さなので。

そういえば、観劇後、劇団四季IDセンターからアンケートメールを受け取ったのは、この時が初めてでした。

劇団四季『リトルマーメイド』東京 2014年3月13日 キャスト

アリエル 谷原志音 エリック 上川一哉
アースラ 原田真理 トリトン 芝 清道
セバスチャン 飯野おさみ スカットル 丹下博喜
グリムスビー 志村 要 フランダー 大空卓鵬
フロットサム 町田兼一 ジェットサム 中橋耕平
シェフ・ルイ/リーワード 岩城雄太
男性アンサンブル 女性アンサンブル
安東 翼 渡辺由紀乃
成田蔵人 松元恵美
永田俊樹 三井莉穂
斎藤准一郎 倉斗絢子
光田健一 三平果歩
劉 昌明 高瀬 悠
滝沢由佳

2014年、2015年年あたりのキャストボードや紙のキャスト表を見ると、今とはアンサンブル枠の順序が違います。
開幕当時は今と同じだったようなので、一時的に何かあったのかなあ、と思います。
上の表のアンサンブルの並びは現在のものにそろえています。

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