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劇団四季『リトルマーメイド』アースラ役恒川愛さんインタビュー感想・MBS「松井愛のすこ~し愛して」

劇団四季恒川愛さんインタビュー
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劇団四季『リトルマーメイド』大阪公演の出演者の1人、アースラ役の恒川愛さんが、2019年1月29日MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して」に出演された時のインタビュー内容の備忘メモと感想をまとめています(一字一句の書き起こしではないです)。

パーソナリティの松井愛アナウンサーと、吉本興業の未知やすえさんが、ちゃんと作品を理解して、「大好き!」という気持ちが伝わってくることもあって、すごくいい内容でした。

『リトルマーメイド』アースラ役恒川愛さんインタビュー

悪役でありながら魅力的なアースラ

アースラ役は未知やすえさんが一番好きで、やってみたい役だそう。

恒川さん
恒川さん
(未知さんはアースラ役に)ぴったりだと思います、私も見てみたいです(にこっ)。

松井さん、未知さんから、アースラについて

いわゆる悪役、海の暗い静かな場所で他人を恨んでみたり、家族に嫉妬したりねたんだりしていて、
そうでありながら、声と引き換えに、という取引ではあるけれど、アリエルの夢を叶える役割の一旦も担っている

という鋭い指摘がありました。

未知さん「あの、タコの足もすごいですよね」

恒川さん
恒川さん
タコの足は、6人の男性が演じていて、ずっとその男性達に運んでもらっていて、私は舞台では一歩も歩いていないんですよ

松井さん「『リトルマーメイド』はディズニ-のお話であり、劇団四季のミュージカル、またアンデルセンの原作であり、いろいろなイメージをみなさんが持っているはずですが、その中で悪役って絶対に必要ですよね」

恒川さん
恒川さん
アリエルが幸せになるために、悪役がいないといけない物語だと私は思っています。アースラは<人間の足>というアリエルの夢を現実化してあげる役割、絶対必要な存在だと思います。

松井さん「みんながいい人って現実の世界でもないじゃないですか」

恒川さん
恒川さん
アースラにとっては悪役というより、それが彼女にとっての正義ですよね。だから難しいところでもありますが。

未知さん「最後の最後でやっぱり憎めないというかね」

恒川さん
恒川さん
そうでありたいと思っているんですけれど。

アースラって、最後の最後でボロだして自滅しますけれど、あれはどうしてなんだろう?はいつも考えます。
『ライオンキング』のスカーは(解釈はいろいろあると思いますが)、「やりすぎた」とかで腑に落とせるのですが。

他の生きものをテンタクルスとしてとりこんで自分を大きく見せていて、
子分のフロットサム・ジェットサムも、基本はアースラを恐れて従っているだけ、と思うとかわいそうだな、とは思いますね・・・

恒川さん自身について

未知さん、松井さんから

「でもアースラがまさかこんなに若い、きれいな人がやっていると思わなかったです!しかもすらーっとしていて、背高いですよね。」

というコメント。そうですよね。

恒川さん、身長は173㎝あるそうです。

恒川さん
恒川さん
子どものころは別の劇団に入っていたんですが、その後バスケットに夢中になっていました。
ケガでバスケットをできなくなった頃に劇団四季の舞台を観て、観客として観続けるのではなく、私はここの舞台に立ちたい、と思って勉強を始めました。

未知さん「劇団四季に入るのってどんな勉強されるんですか?」

恒川さん
恒川さん
やっぱり、入団する人はバレエを小さいころからやっている人が多くて、バレエは技術の基礎になっていくんですけれど、私は高校卒業までバレエなどはやってこなかったので、1年間専門学校に通って、研究生オーディションに合格しました

松井さん・未知さん「え、そんな1年で入れちゃう、ってすごいことなんですよね?」

恒川さん
恒川さん
でもやっぱり、身長があったので、目立った、というのはラッキーだったと思います

松井さん「『コーラスライン』、『クレイジー・フォー・ユー』みたいな、群のお芝居で、その中で目を引くような、女性の役って必要ですよね」

恒川さん
恒川さん
ああそうですね。主役とは別の、キャラの立った役をやらせていただくことが多いのは、背が大きいからだと思います。

恒川さんが大柄なのは、バスケットボールをやっているうちに身長が伸びたわけではなくて、生まれたときに4050gある大きな赤ちゃんで、お母さんは小柄なんですが、お父さんが180㎝あって、お父さんの遺伝、とのこと。
最終的には、背が高いことも良かった、と思えるようになりましたが、最初は背が高いことはコンプレックスだったそうです。

他に四季の女性の俳優さんで背が高い人、というと岡村美南さんもかなり高いけれど173まではないのかな?アクァータ役の大和貴恵さんは恒川さんよりも大きい気がします。

未知やすえさんは、自分が小柄なので、娘さんは背が高くなるように足のマッサージしたりしていて、大きくなりそうな時期もあったけれど結局普通くらいの慎重になったそう。
未知さん一家は頭が小さくて「イイダコみたいなんです」という話がおもしろかったです。

というか、大阪のラジオやっぱりトークが面白いよね。

松井さん、未知さん「役を取るのはオーディションで勝ち抜いていくんですか?指名されたりということはないんですか?」

恒川さん
恒川さん
今はそういう形ですね。座内でオーディションをしています。
指名のようなこともあるんですが、基本的には、みなさんその役をやりたい人が平等にオーディションを受けます。

私は入団当初から『役者』として使っていただきたかったんですけれど、背が高いし、演技をやったこともなかったので、最初はアンサンブルのダンサーとして使っていただくことが多かったです。
でもダンスもやってこなかったので、バスケットの運動神経を生かして、とにかく練習あるのみ、毎日泣きながらやっていました。青春していましたね

未知さん・松井さん「それで今はアースラ役で」「ゲットできましたね(笑)」

松井さん「アースラが登場する場面はちょっと照明が落ちて、同じ海の中でも、アリエルたちがいるキラキラしたところとは違う、深海で、波があって渦があって、心の暗闇があって、だからこそ人間も引き込まれる世界観ですよね。それでぐわーっとインパクト強くアースラが出てくるじゃないですか」

恒川さん
恒川さん
あのアースラの登場シーンまで、開演から30分くらいあるんです。
そこまで他の皆さんが作ってくれた明るい『リトルマーメイド』の世界とは違う、暗闇を、いかに作って登場できるか、に毎日かけています。

松井さんが、タコの吸盤を「えーと肉球?」と言い間違えたのが可愛かったです。

アースラの役作りについて

松井さん「恒川さん自身は、明るくてハッピーですごく元気に見えますけれど、その恒川さんご自身からのアースラはどういう役作りをされているんですか?」

恒川さん
恒川さん
アースラは自分とは真逆の存在だととらえています。
人殺しの役じゃないですか。それはいくら考えようとしても、実感が湧かないんですよ。人を殺したくなったことなんてないですから。
でも想像はできるので、むしろ、自分にとっては絶対に嫌な人間だからこそ、想像して、だからこそ役としてこうやりたい表現ができました。

松井さん「人間関係で強いもの弱いもの、淘汰されているもの、傷つくものがいる中で、アースラはアースラとして戦っているんですよね。」

恒川さん
恒川さん
そうです。私も傷つくことがいっぱいあるので、そういうのは反映しやすい。私生活をアースラの演技に反映しているつもりんなんですよね。

松井さん・未知さん「ええ!私生活でどんなことがあるんですか?(笑)」

私もここはちょっとショッキングに聴きました(笑)

恒川さん
恒川さん
やっぱり人とのつながりの中で悩んだり傷ついたり、いっぱいしていくと思うんですけれど、人間は。それを、私は放さないで、乗り越えないで、ずっと自分に引き付けているんですね。

例えば、仮に大っ嫌い・許せない、と思う人がいたら、ですけれど、絶対にこの人を許さない、その気持ちで舞台でトリトンに(対峙する)。

放さないで、受け入れないでやっていく。

だから辛いんですよね。忘れられないから。

でも、この役のため、というか、役者をやる上で必要なことだと思っているので、それは受け入れて、生活しています。

松井さん「でも正直、きれいごとばかりじゃなく、何百人もいらっしゃる中で、同じ役に3人くらいいるとして、先輩後輩だからもない競争だし、そうかといって、やったらやった分だけ結果が付いてくるかというとそればかりでもないですよね。運もあるし縁もあるし」

松井さん・未知さん「すごく強い。恒川さんがアースラに見えてきた。ぜんぜん違う、可愛い人のイメージだったんですけれど(笑)」

未知さん「リンクする部分とリンクさせていく部分とあるんですよね。演技は、表面的ではない、内面の葛藤も動きに出てくるってことですものね。」

「はあ、もっかい観に行こ。(未知さん)」

そこにちゃんと持って行くのが素晴らしい。

最後の方で、松井さん、未知さんから『リトルマーメイド』の魅力が語られました。

『リトルマーメイド』の舞台を見ていると、装置や動きのちょっとしたところで、酸素がありそうなところとか、重力や浮力を感じるところとか、髪の毛こうなってるんやな、とか。

あのアリエル動いているの腰痛そーとか、腹筋いるやろなとか、

人のきれいなところ、美しい声などの面と、メンタルの内側のなまなましいところ、

親が見ても子が見ても、それぞれに感じるものがあって、悩みごとが吹っ飛んだり、逆に一緒に悩んでみよう、と思ったり、世界観としてはすごく大事なものを見せていただいていると思いますね(松井さん)。

家族だけではないところの関係性とかも出てきますもんね(未知さん)。


ここの、作品の魅力の表現とか、ほんと「それそれそれ!」で感動。
自分もこういう風に表現できたらいいんですけれど。

最後に、2020年1月末までの延長分の発売についてお知らせがありました。いやあ、もう1年先まで発売しちゃうんですよね。


まとめ

テレビやラジオのインタビューでは

とにかく全部自分の土俵に引き寄せようとする(キャラが濃い、といえばそうなんですが)パーソナリティやタレントの方だったり、
興味ないんですね、ってバレバレだったりすると、せっかく四季俳優さんが出演されていてもがっかりしちゃうことも少なくはないんですが(^^;

「松井愛のすこ~し愛して」は、アナウンサーの松井愛さんも、吉本新喜劇の未知やすえさんも劇団四季の舞台が大好きな方たちなので、この番組のインタビューはいつも安心して聴いていられます!

『リトルマーメイド』以外の四季作品の話も恒川さんが出演経験があるACLとCFYで例えに出していて、本当にちゃんと四季の舞台を観て理解しているお二人だからこそのトークですごく楽しかったです。

恒川さんがアースラを演じるようになってからのインタビューは「ラ・アルプ」に掲載されたこともあり、劇団に入った経緯などはそこでも読んでいましたが、「お芝居・演技」をしたい方なんだな、というのが今回のインタビューでも伝わってきました。

番組公式facebookページの記事。恒川さんの写真も載っています。

https://www.facebook.com/mbs1179ai/posts/2236554986596466


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