FM802「FRIDAY Cruisin’ Map!!」2019年3月29日放送回の
劇団四季俳優・飯田達郎さんのインタビューから、印象に残った点をまとめました(完全な書き起こしではありません)。
DJは飯室大吾さん。
『ノートルダムの鐘』は未見とのことですが、『リトルマーメイド』を観劇したときには、「大の大人が客席でわんわん、笑いながら泣きそうになってました!」とおっしゃっていました。
大人の男性で、そうやってダイレクトに反応してくださるの、私は大好きです(飯室さんの好感度ここで急上昇)。
飯室さん:
飯田さんは(『リトルマーメイド』)ではエリックでご出演なさっているんですよね。
※飯田達郎さんがエリック役で出演されたのは東京公演2016年8月26日~9月19日
飯田達郎さんの経歴など
イエス・キリストの最後の7日間を描いたロック・ミュージカルで、非常に古い作品ですが、曲は今でも鮮度を保っていて、僕も今でも大好きな作品です。
飯室さん:
もともとミュージカル俳優を目指していらっしゃったんですか?
それまでも兄の舞台を見ていて興味があったので、その話を聞いたら、ミュージカルの方に心が傾いていったんですね。
新しいことに挑戦したい、ということと、
歌手は、まあ、正直、少し年齢を経てからもチャレンジできる、でも俳優は若いうちからトレーニングしないとできないだろうなと判断したんですね。
飯室さん:
チャレンジしないといけないもののほうが燃えるってことですかね、
お兄さんは、達郎にもやらせてみたい、と思っていたんでしょうか?
飯室さん:
劇団四季のステージを見せていただいて思うんですけれど、ミュージカルアクターはアスリートと同じですよね
歌だけじゃない、全身を使ってやりますし、体調管理も、スポーツ選手並みだと思うんですけれど、
レッスン、コンディションを整えるためにしていること、劇団四季の俳優として普段どうやって生活されているんですか?
電車乗る時には必ずマスクをしますし、あと、個人的なものですけれど(という前置き付き)で、ウーロン茶を飲まない、は気を付けています。
(ウーロン茶は喉の油分を取ってしまうということらしいんですよね、と飯室さんも言われており、達郎さんも、「そういったようなことを聞いたことがあるので、中華を食べる時以外は避けています」という感じでした。
検索してみると、ボイストレーニング教室のブログなどにも同様の内容のものがあったんですが、元となる一次資料は見つかりませんでした)
飯室さん:
辛い物も控えます?
飯室さん:
劇団四季の劇場ってすごく広いですよね。あの後ろの後ろまで届く声って、どうなっているんだろう?と思うんですけれど。
ごにょごにょと話すと、どうしてもボワンとした音になってしまう。
劇団四季には母音法という方法論があって、僕は、というか劇団四季の俳優は、みんな、どんな言葉でも母音で言えます。
飯室さん:
ええ?それは普段の会話みたいなものを母音だけで言うということですか?
「劇団四季、飯田達郎です」を「えいあんいい、いいああうおうえう」みたいにいうわけですね。
これを稽古場では、今みたいな言い方ではなくて、トレーニングとしては、「いいああうおうえう」の、ひとつひとつの母音を区切って、練習して、
そこに子音を入れて、「飯田達郎です」を練習して、
で、舞台上に立ったときにはできるだけクセをとって「飯田達郎です」言うと、シンプルに聞こえるんです。
これをもう10何年、やっています。
(ここ、実演だったので、文字ではお伝えするの難しい・・・)
飯室さん:
それは入団した時だけやることではなくて今でもやられているんですか?
滑舌もそうですが、やっぱり体を鳴らす、ということですね。
飯室さん:
いやあ、初めて知りました。すごいな。
だから言葉が体全体に反響して鳴る、んですね。勉強になりました。
情報量が多くてこれ以上聞いたら、僕もう頭が破裂しちゃいそうですけれど(笑)。
飯田さん自身のことにもすごく興味があるんですが、大事な話、『ノートルダムの鐘』にすいてお伺いしていきたいと思います。
<開口発声について>
開口発声訓練については、2018年7月にスポーツクラブのジェクサーと劇団四季のコラボイベントに参加して、
俳優の岩城雄太さんに詳しく説明していただきました。
『ノートルダムの鐘』作品について
達郎さんから『ノートルダムの鐘』の物語の紹介をして、その後、
カジモドは外に出られないというように教育されているんですけれど、それがある日外に出ると。
そこでエスメラルダに出会うことによって、ドラマが、大きく動いていきます。
飯室さん:
カジモドが世界を知っていく、ということですよね。
『ノートルダムの鐘』は90年代にディズニーがアニメ映画にしているので、ご覧になった方は、どういった話かというのはある程度知っていると思います。
醜い容姿と、人間の利害によって閉じ込められていたカジモドが外に出ることによって、
もちろん、生きている喜びというのも感じるんですが、もう一つの裏側、人間の闇の部分、暗い側面も描かれていて、非常に、人間、社会に深い洞察のメスを入れた作品なんですけれど、今回は、ディズニーのアニメをもとに舞台化、ということなんですか?
なので、向こうの(ディズニー・シアトリカルの)演出家からも、アニメーションをまねるのではなく、原作を読み込んで、それを台本に投影してほしい、と言われています。
ですから、アニメをご存知の方は、カジモドがみんなに認められて幸せに暮らしました、というエンディングを知っていると思うんですけれど、舞台ではそこは違っていて。
飯室さん:
曲はアニメのもので、ストーリーは原作に基づいて、ラストが、アニメとは大きく方向転換をしている。
ミュージカル『ノートルダムの鐘』では、必要な重み、というのが加わっているんじゃないかな、とそこを僕もとても楽しみにしています。
実は、少し前の、飯田(達郎)さんのインタビュー記事を読ませていただいたんですけれど、
「今回の作品は、ハンカチではなくバスタオルを用意してきて下さい」と、それくらい、感動の涙が抑えられないような作品だということなんですが。
終演後にみんなでごはんを食べながらその会をやるんです。あのセリフがいいとか、この場面が好きだ、とか語るんですけれど、最高ですよ!
そこでみんな共通して言うのは、普通のミュージカルって、悲しいとか、温かい気持ちになって泣くんですけれど、この作品では、そうじゃない涙が流れるんですよね、エンディングで。これ、エンディングは言えないんですけれど。
悲しいのでもなく、うれしいのでもない、心の一番奥にぽんと触れられたような、ちょっと背中を押されたような、希望とか光とか祈り、そういうメッセージが込められています。
人はみんな、本当はそういうことを願っているんですよね。だからそれに気づかされた時に「あっ」って、ふわって何かを感じる、そこで、バスタオルが必要なんです。
飯室さん:
うわあ、出演されている飯田さんにここまで言われたらもう観るしかないですよね。
飯室さん:
今回来ていただくにあたっていろいろ資料を読ませていただいたり、
それから特設ホームページもあるんですけれど、そこで見られる舞台美術もすばらしくて、
今の飯田さんのお話と、事前知識としてみることができるビジュアルを知ったら、もう観るしかないですよね。
開幕したらおじゃましてもいいですか?
飯室さん:
ええと、僕は今日はいろんなことをうかがえて、もうキャパオーバーでパンクしそうなんですけれど、あと飯田さんが言いのこしたことはありますか?
僕『ノートルダムの鐘』を語り始めたら1時間以上は話せるので。
『ノートルダムの鐘』は出演者もみんな愛しているので、この作品を愛してくださる方を一人でも増やしていきたいです。
ミュージカルってとつぜん歌いだすから苦手、という方もいると思うんですけれど、この作品はちょっと違うので、だまされたと思ってぜひ観に来てください。
飯室さん:
我々観客も観た後は『『ノートルダムの鐘』を語る会』を作りますよ。
飯田達郎さんインタビュー感想
今回のパーソナリティの飯室さんは四季のことや作品に非常に興味を持って前に前に話を進めてくださったので、聞いていてとても楽しかったです!
そしてもう、出演されている間のtweetとかかでもあふれていますけれど、飯田達郎さんの作品愛の熱量がすごいですよね。
この前の日のFM COCORO「AFTERNOON DELIGHT」では、通常のミュージカルと違う手法がもしかしたら抵抗を感じる人がいるのかも、という話もあったのですが、反面、いわゆるミュージカルのイメージとは違う伝え方をしていることですんなり心に入っていく人もいると思うし、とにかく一度観てほしい、は私もそう思います。
バスタオルはともかく、ハンドタオルくらいのちょっと厚みのあるものはあったほうがいいかも。自分はメイク直しの用意は必須です。
今となっては何がそんなに気になっていたんだろう・・・?って感じです(笑)
母音法、開口発声訓練の段階については、2018年夏の四季とジェクサーとのコラボワークショップの体験をまとめたので良かったら読んでみてください!