インタビュー PR

「ノートルダムの鐘」FM COCORO「THE MAGNIFICIENT FRIDAY」飯田達郎さんインタビュー【感想】

記事内に広告を含む場合があります

2019年4月12日放送、FM COCORO「THE MAGNIFICIENT FRIDAY」での、
「ノートルダムの鐘」カジモド役飯田達郎さんのインタビューから、印象に残ったことをまとめました。
(全部の書き起こしではありません)

DJは、 加美幸伸さん。「ノートルダムの鐘」をご覧になったことがあるのかはわかりませんでしたが、四季の舞台についてはよくご存じのようです。

達郎さんが出演したのは、「ステージぴあ SPOT-LIGHT」という関西ぴあと提携したコーナー。
最後に、「ノートルダムの鐘」京都公演のチケットのあっせんもあり、翌日の一般発売を前に、番組で放送されたコードで先着順で申し込めるということでした。

この前、田中彰孝さんを文中、「彰孝さん」と表記したんですけれど、飯田達郎さんもやっぱり「達郎さん」のほうがしっくりするかなあ。劇団にお兄さんもいらっしゃいますし。

劇団四季入団から初舞台までのこと

加美さん:
僕も四季のあのキラキラした感じ、観劇したら「いいな、楽しいな」と思って劇場を出るわけですが、
ステージに上がられる人にとっては大変厳しいオーディションがあって、いろいろ大変だと伺っています。

達郎さん
達郎さん
ええ、稽古場の壁に教訓の言葉が貼られていて

「慣れダレ崩れ 去れ」

という言葉が書いてあるんですね。

慣れ、っていうのはやっぱり、
歌うこと、今日舞台に上がれることに慣れてしまうと、ダレる、そうするとその人のクオリティが崩れる、作品が崩れることになるので、そういう人は去りなさいよ、と。

加美さん:
常に初心であれ、と。

達郎さん
達郎さん
そうですね。

加美さん:
飯田さんは今12年目で、でも毎回新しい作品に出演するにはオーディションがあるんですよね。

達郎さん
達郎さん
はい、新しい役に挑戦するには座内オーディションを受けます。
ノートルダムの鐘、の時には総勢1000人くらいは受けて、カジモド役だと200人受けたそうですから、そこから初演の時には3人合格しました。

劇団内の役者さんは600人なので、通常の座内オーディションで1作品へのエントリーが1000人ということはありませんが、
「ノートルダムの鐘」の時にはオープンエントリーだったので、作品全体への応募者は1000人くらいになったようですね。

加美さん:
そもそも劇団四季に入られたのはどういうきっかけだったんですか?

達郎さん
達郎さん
僕より先に兄が入団していまして、兄の公演も夜行バスに乗って東京までとか、家族で観に行っていましたね。
それでこういうものもあるんだなあ、と思ってはいたんですが、その時は自分からやる気持ちにはなっていなかったんです。

ひょんなことから、地元のミュージカル団体にお世話になって、芝居をつけてもらったりしたときに、歌うだけじゃなくて、演じる、その役を生きる、ことがこんなに面白いのか、って気が付いたんです。

加美さん:
それまではコーラスグループで、ツアー回ったりして結構お忙しかったんですよね?

達郎さん
達郎さん
そうですね、グループでやらせてもらっていて、自分でやっていきたくて曲を作ったりして、
それでオーディションを受けて歌手として契約するかどうか、というときに、劇団四季のオーディションの話が来たんですよ。

それで、契約するか、四季に挑戦するか、という時になんとなく心の中で、

これは、ミュージカルやったほうがいい・・・

って思ったんです。

歌手を目指していたんですけれど、自分の歌の力を証明したかっただけじゃないか、それで優勝した時点で満足してしまったんじゃないかな、と思って。
だから歌だけじゃなく芝居というものが加わったミュージカルに挑戦することにひかれたのかなあって。

それが19歳の時なんですけれど、人生の分岐点でしたね。

それで、四季の『ライオンキング』を観て、もう衝撃で、3日連続で見ましたからね、立見席で。

地域再開発でクローズする前、四季劇場「春」には、今はどの専用劇場にもない当日立ち見席があったんです。

<関連記事>
『ライオンキング』東京公演(四季劇場・春)当日券立見席での観劇

加美さん:
もう集中して。

達郎さん
達郎さん
はい、びっくりしちゃって。おもしろくて。で、劇団四季のオーディションを受けて、それが2008年。

加美さん:
2月にオーディション合格されて。

達郎さん
達郎さん
もう何も専門的なトレーニングを受けてこなかったので、当たって砕けろ、jないですけれど。
とりあえず体当たり、と思って受けたらチャンスをいただけて。

加美さん:
それで、その年の10月に「ジーザス・クライスト・スーパースター」で初舞台を踏まれていますよね。
でも、四季に入られる人って本当に歌でもダンスでもものすごい基本から学ばれている方たちばかりですよね。その中で飯田さんは一からですよね、ミュージカル、ということでいうと。

達郎さん
達郎さん
だから同期はライバル、というよりも、本当にすごい人たちばかりで、くるくる回るし、歌うし、小さいころから何かのレッスンを受けてきた人たちばかりで、
最初のレッスンの時はパニックになって鼻血出ていました(笑)。

何やっているか分からないんですよ。バレエの用語とかも分からないし見て学ぶ、という感じで、ですから本当に苦労しましたね。

加美さん:
だけど舞台に上がった時には「これかあ」ってことですよね。

達郎さん
達郎さん
初舞台のことは今でもはっきり覚えています。2008年10月1日でしたね。

劇団四季での初舞台は一生に一回だけなんだから思いっきり楽しんでおいで」って先輩に言われたんですね。

それが今も印象に残っていて、
お客様は、今日、この1回しか観ないという人もたくさんいるから、そういう人たちのためにいつも新鮮な思いでやらないといけない、ってずっと思わせてくれる言葉ですよね。


カジモド役について

加美さん:
周りの方のそういったサポートがあって、
それで数々の作品に主演されて、そんな中でたどり着いたのが「ノートルダムの鐘」、2016年12月11日開幕で、15日からカジモド役で主演されていますが、この役は本当に難しい役でしょう?

達郎さん
達郎さん
難しいですね。でも難しい分やっぱりやりがいがあります。

加美さん:
15世紀のパリで、ノートルダム大聖堂の聖職者フロローに引き取られる醜い容姿のカジモド、という人がいて、カジモドも、フロローも、警備隊隊長も、3人の男性が、一人の女性ジプシーの踊り子エスメラルダに恋をする。
その中で、あまり容姿がよくないカジモドが、秘めた思いをエスメラルダに伝えようとするんですよね。
そういった気持の動きも含めてすごく難しいのではないかと思います。

達郎さん
達郎さん
心の面で、カジモドという役は、台本の原文にもあるんですけれど、「僕は愛されてはいけないんだ」という思いが根底にあります。
だから、思いを伝えるとか自分の意志で行動するということがなかなかできないキャラクターなんです。

ただ、その彼が一度でいいから外の世界に触れてみたいと思って飛び出していく、またエスメラルダという女性を守りたい、ともに暮らしたい、と思うことで、
乗り越えていくもの、得てくるもの、がたくさんあって、また失っていくものもある。

人って同時にいくつものことはできなくて、片方をとれば片方が絶対に消える、というはかなさとか。

カジモドは精神的に幼いところがあるので、その幼さゆえの悲劇というものもありますし、今までやらせていただいた役の中でも、非常に多面的なんですよね。

だからこれが答えです、というのはずっと見つからなくて、
今はこれが自分の100%、というところでいつも演じていますけれど、たぶん、10年後くらいにやってみたらぜんぜん違うじゃないか、と思うかもしれません。

加美さん:
そうか、自分の年齢や経験を重ねていくことによって、またカジモド像が変わっていくこともあるし、わあ、すごくやりがいがある。それはすごく役者としては。

達郎さん
達郎さん
役者冥利に尽きますね。

加美さん:
それで、「ノートルダムの鐘」ではアラン・メンケンさんの音楽がとても大切な要素ですよね。
『アラジン』『リトルマーメイド』などの数々の名曲を作った方なんですけれど、この名曲を歌う、といことにしても真正面でダッと歌えるわけではなく、身体にいわゆる、制限があるわけですから。

達郎さん
達郎さん
そうですね、顔もゆがめていて、ちょっとこういうかんじの(カジモドのしゃべり方で)話し方になるんですよね。
でもこれでずっと歌ってもミュージカルとしては成立しにくいだろうと。

僕は、歌うということは心の起伏があって、心が高揚することで、
心が高揚する、ということは、彼の空想の中に入った、ということだと思うんですね。
なので、空想の中では、体、口、顔のゆがみもちょっと軽減されて、声もちょっと普通に戻るんだと。
それで、彼の空想の中では、石像たちも動き出して、照明も変わって、お客様からの見え方も変わるんですよ。

あ、今は彼の空想の中なんだ、という歌のシーンがあって、
そして局の終わりにはまたボン、っと現実の戻ったりするんです。

その現実との対比がまた、切なさ、とうか、カジモドの希望が見えてすごく感動すると思う詩、
一度だけ外に出てみたい、という”OutThere”という曲があるんですけれど、そこでは彼の希望が大きく見えるんですね。
そこでは体の曲がりも軽減して歌いますし。

「ノートルダムの鐘」京都公演に向けて

加美さん:
前回の京都公演は2か月で約5万5千人が観劇したんですよね。

達郎さん
達郎さん
はい、ありがたいことに完売して。

加美さん:
京都の人は(こういう作品が)お好きですよ。

達郎さん
達郎さん
京都はやっぱり神社仏閣がたくさんあって、神聖なものに対してすごくリスペクトがあると思うんですよね。
僕も京都は大好きな街なので、ぜひたくさんの方に来ていただきたいです。

加美さん:
京都以外の関西の方は京都観光もかねて。
大変素敵な機会だと思います。

バレエの「エスメラルダ」とか、カジモドが登場する作品はいろんなジャンルでありますし、きっといろんな方が観に来られますよね。

達郎さん
達郎さん
「ノートルダムの鐘」はアニメにもなりましたし、白黒の映画もありますし、
お子さんから年配の方まで幅広い年代の方に受け入れていただける、普遍的なテーマなので、ぜひ。

バレエ作品の「エスメラルダ」は、日本では全幕上演はあまりないですが、ストーリーはヴィクトル・ユゴーの原作に近いです(つまりフェビュス=フィーバスがかなりひどい男です)
タンバリンを持ったエスメラルダのバリエーションはコンクールでよく踊られていますね。

今後について

加美さん:
たくさん、夢もお持ちだと思いますけれど、飯田さんご自身は、今後どんな感じで考えていらっしゃいますか?

達郎さん
達郎さん
劇団四季にはいい作品が多いのでので、それを前面に出せるように、こう、伝えていかれるように、人材を育てるということもしていきたいんです。

加美さん:
しかも、四季は長いラングランだから、アスリート的な面もありますよね。

では、そろそろお時間なので、改めてリスナーの方にメッセージなどいただけますか

達郎さん
達郎さん
京都公演、役者たち楽しみにしています。良い席はおはやめに、ぜひお待ちしております。

感想まとめ

内容の感想とはちょっと違いますけれど、関西ぴあってこういう、チケット先行申し込みと連動した番組があるんですね。
まあ、東京だともう人数が桁違いなので、やってもほぼ買えないということになってしまいそうですが・・・

別のインタビューの時に達郎さんが「カジモドのことを【彼】って言っちゃうんですけれど」というコメントがありましたが、
今回のインタビューでも、ずっと【彼】と呼んでいる、その呼び方が、客観的な三人称ではなくて、自分の中にいる存在のことを語っているように感じました。

ノートルダムの鐘京都初日キャスト
劇団四季『ノートルダムの鐘』京都公演初日キャスト・プログラム掲載候補キャスト2019年7月28日(日)初日開幕した、劇団四季ミュージカル「ノートルダムの鐘」初日出演キャストと、 初日に発行された公演プログラムに...

関連記事
\URLをコピーしてシェアしてね/
この記事のURLをコピーする