『パリのアメリカ人』東京公演、2019年3月1日の観劇感想です。
感想といっても、私がひたすら松島勇気さんのジェリーに胸アツになっている内容ですが、よかったらお付き合いください。
それから、私は感想を書くにあたってあまりネタバレを気にしていません。
自分がぜんぜん気にならなくて、初見でも事前に展開を最後まで知っていた方が安心して観劇できるというタイプなので。
この記事の感想では、ストーリーを順を追って書くことはしませんが、知らず知らずにネタバレしていると思いますのでご了承ください。
劇団四季『パリのアメリカ人』2019年3月1日昼公演キャスト
ジェリー・マリガン | 松島勇気 | リズ・ダッサン | 近藤合歓 |
アダム・ホックバーグ | 俵 和也 | アンリ・ボーレル | 小林 唯 |
マイロ・ダヴェンポート | 宮田 愛 | マダム・ボーレル | 秋本みな子 |
ムッシュー・ボーレル | 味方隆司 | オルガ | 大岡 紋 |
ミスターZ | 金久 烈 | ― | ― |
男性アンサンブル | 女性アンサンブル | ||
吉岡慈夢 | 篠原真梨子 | ||
ツェザリ・モゼレフスキー | 吉村菜奈子 | ||
照沼大樹 | 森田美穂 | ||
田中勇人 | 武田恵美 | ||
皆川知宏 | 塩住珠希 | ||
高橋伊久磨 | 藤本典子 | ||
渡邉寿宏 | 村上今日子 | ||
― | 山崎遥香 | ||
― | 平井佑季 |
劇団四季『パリのアメリカ人』2019年3月1日昼公演感想
松島さんを最初に観たのは、2003年の谷桃子バレエ団の公演「ライモンダ」第3幕が最初で、その後、2004年『キャッツ』仙台公演で、ミストフェリーズ役でデビューした当日時ではないけれど、デビュー週に観ています。
最初から歌もうまかったし、すごい人来たなあ、と思ったんですよね。
劇団四季の正団員になったのが2006年ごろだったはず。
それまでは、外部参加だったので、バレエ団の公演に出演もされていたし、振付作品も発表されていました。
以下は、あくまでも私の個人的な印象ですが、一時期、もうダンスがメインになる役にあまり気持ちが向いていないのかな、とインタビューなどで感じたことがあって、それが2017年「アンデルセン」全国公演の後半戦くらいで、ちょっと風向きが変わってきたような気がして、
『パリのアメリカ人』で、ジェリー役候補になった時にはすごくうれしかったんですよね。
開幕キャストの酒井さんの、初々しく、みずみずしいジェリーも素敵だけれど、
(踊りの演技でない、セリフでの演技や歌になれている方ではないですが、ジェリー役ももともとの持ち味にぴったりなんだと思います)
やっぱり松島さんのジェリーを見たくて、これは横浜かなあ、と思っていたので、東京のうちにも観るチャンスがあってよかった。
冒頭のシーンで、
アメリカに帰れる、と言われたジェリーが、
それよりも「今この表情を描かなければ!」とスケッチを始めるところ、リズとの出会い、
そして、汽笛を聞いて一瞬ハッとするけれど
「自分はここで、絵を描いていくんだ」と切符を破りするまでの、
ジェリーの心の動きが鮮やかに伝わってきます。
この場面を見ただけで、
ああ、私は松島さんの踊りのこの感じが好きだったんだよなあ、このメリハリある感じも、空中でもう一度上がるようなジャンプも、と思って泣きそう。
続いてのカフェの”I Got Rhythm”の場面では、
後ろの方で、マダム・ヂュトワ、ムッシュ・デュトワに「部屋借りたいんです!」と交渉している様子に(前で歌ったり踊ったりしている人がいっぱいいるのに)、目が行ってしまう。
それと、松島さんの踊りというか演技全体かな、恋愛事が生々しいです。リアルに色恋なんですよね。
嫌味なくそれが表現できるのすごいと思っています。
『クレイジー・フォー・ユー』でもそうだったし、
『パリのアメリカ人』の”I’ve GotBeginer’s Luck”や”Liza”も、ちょっと「危ない」感じ、大胆に相手のパーソナルスペースに入っていく感じがします。
ジェリーとマイロとの関係は、
今回の宮田さんが実年齢も若めで、よりお嬢さまらしく、松島ジェリーがあまり押されている様子が感じなかったけれど、
岡村さんはもう少し女実業家的な要素があるので、組み合わせが変わったらきっと雰囲気が変わりますね。
(宮田さんのマイロ、「あなたを好きになるつもりはなかった」がすごく切なかったです)
近藤さんのリズは、パっと見には普通にかわいい女の子。
石橋さんの方が普通じゃない境遇からくるさみしい感じが普段から見えている感じかな。
アンリのプロポーズ(未遂というか勘違いの後)、「・・・何の話だったのかしら?」と首をかしげる様子が小鳥みたいですごくかわいかったです。
歌い方や声は石橋さんと似ている感じがしました。
これも相手がどちらなのかによって、ジェリー(アンリ、アダム)がリズのどこに惹かれるのか、が違って見えますよね。
近藤合歓さんのラジオインタビューのメモです。
まとめ
『パリのアメリカ人』は、自分の場合は初見では、美しいし、好きだなとは思ったけれど、ぼーんとはまった、となった作品ではなかったのですが、
(一回ではまった例でいうと『キャッツ』や『アラジン』)
数回の観劇を重ねて、違うキャストの組み合わせも観て、がぜん、面白く感じるようになってきました。
よく、作り手・伝え手側について「こなれる」という言い方をしますが、観る側にも「こなれる」はあるんじゃないかと思います。
もちろん、たいていは、その1回の観劇が一生に一度のことであることの方が多いわけですから1回で何をどれだけ伝えられるかを追求されているのだとは思いますが。
この日は、やっと2月の平日観劇だったので、マイクロファイバークロスのプレゼントももらいました。
写真に写っていることからもわかるように、引き換え券はまだ数枚手元にあるんです。
終演後オフステージトークイベントにも参加しました。