この記事では劇団四季ミュージカル『キャッツ』マンカストラップ役について、2002年大阪公演夏休み企画で配布されたカードの記録を兼ねて、キャラクター紹介をしています。
白黒の縞柄のオス猫。ストーリーテラーとしてセンターに立つことが多くビジュアル的には印象に残りますが、ナンバーがなく劇中で名前を呼ばれないため(正確には「ネーミングオブキャッツ」で”マンカストラップ”という言葉は一度出てきます)、観た後で「あの猫、名前何?」になりがち。
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劇団四季『キャッツ』【マンカストラップ】ってどんな猫?
<マンカストラップ>
「ジェリクルソング」での一言ソロは「生まれたのか」
リーダー猫。
しかし、「ジェリクルリーダー」とはオールドデュトロノミーのことであり、そのオールドデュトロノミーは積極的に何かするわけではありません。
リーダー、とはなんぞや?って話になるのですが(英語のleaderと、和製英語のリーダーの意味に乖離があるのでは?という気もします)、
オールドデュトロノミーは、精神的な中心であり、天上と現世をつなぐ役割、
マンカストラップは現実的な脅威から仲間を守ってくれる存在、といったところでしょうか。
作品の中では、「いろいろな生き方の猫を紹介するストーリーテラー」の役割を持ち、
多くの場面に登場し、センターにいることも多いです
2018年8月開幕の東京公演からは、「ランパスキャット~けんか猫」が復活したことでマンカストラップが中心になるナンバーがさらに1つ増え、
名前はわからなくても「あの目立っていた猫はだれ?」と印象には残るのではないでしょうか。
劇団四季『キャッツ』2002年大阪公演夏休み企画配布カード【マンカストラップ】
(写真のキャストは福井晶一さん)
劇団四季『キャッツ』【マンカストラップ】2001年大阪公演以降のキャスト
※『キャッツ』日本初演は1983年ですが、私が観たことがある時期から記載します。
福岡公演 | 2021年7月27日~2022年4月27日 |
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金本泰潤、岩崎晋也、分部惇平 | |
東京公演 | 2018年8月11日~2021年6月20日 |
加藤 迪、北村 優、渡久山 慶、金本泰潤 | |
大阪公演 | 2016年7月16日~2018年5月6日 |
加藤 迪、西尾健治、萩原隆匡、渡久山 慶 | |
札幌公演 | 2015年1月18日~2016年3月21日 |
萩原隆匡、加藤 迪、渡久山 慶 | |
福岡公演 | 2014年4月~10月4日 |
松島勇気、加藤 迪 | |
静岡公演 | 2013年9月15日~12月1日 |
萩原隆匡 | |
仙台公演 | 2013年4月23日~8月20日 |
萩原隆匡 | |
広島公演 | 2012年12月09日 ~ 2013年3月24日 |
萩原隆匡、松島勇気 | |
横浜公演 | 2009年11月11日~2012年11月11日 |
芝 清道、武藤 寛、福井晶一、萩原隆匡 | |
東京公演 | 2004年11月11日~2009年5月3日 |
趙宇=西門宇翔、福井晶一、芝 清道、青山祐士、田村雄一、荒川 務、野中万寿夫、神崎翔馬 | |
仙台公演 | 2003年12月19日~2004年5月5日 |
趙宇 | |
広島公演 | 2003年8月2日~11月24日 |
趙宇 | |
静岡公演 | 2003年4月29日~7月9日 |
趙宇 | |
大阪公演 | 2001年3月11日~2003年1月30日 |
福井晶一、野中万寿夫、芝清道 |
劇団四季『キャッツ』【マンカストラップ】についてのメモ
最初にも猫のグループにおける「リーダー」って何?って話をしましたが、
2002年大阪公演から観てきて、
いろんなタイプのリーダーがいて、それって、最後の「アドレッシングオブキャッツ」の歌詞のようにほんと人間と同じだなあ、と思うんですよね。
最近のキャストで印象に残ったのは西尾さんのマンカストラップ。
「兄貴」役が多い西尾さんですが、マンカストラップ役では、特に目立って前に出て何かするわけではないんだけれど、彼がいることでみんなが自由にしていることができる存在だな、と思いました。
2幕のメモリーの前まで、直接グリザベラと向かい合うのは常にマンカストラップなんですよね。
ここに入ってくるな、という意思は示すけれど手出しはしないし、実は一番彼女のことを見ているんじゃないかと思います。
2幕でグリザベラが現れたときには、「去れ」と言えなくて自分が引いて彼女を通す、という流れがはっきり見えるようになったのは比較的最近で、個人的には、福岡公演の松島さんくらいから、ああそういうことか、と思えるようになりました。
「メモリー」後のマンカストラップの表情(暗いので、顔はあまりよく見えませんが立ち方とかで)も演じる方それぞれで、興味深いです。